5月 1, 2012
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 まず、水力発電の設備能力と、実際に可能な発電量は異なる。水力発電所は常に100%の設備能力で供給できるわけではない。2番目に、石油火力のなかには昭和30年代に建設されたものもある。これも常に100%の能力で使用できる保証はない。そして3番目の誤解は、他社受電に、卸電力事業者である日本原子力発電の原発が発電した電力が含まれている。彼が示す「原発なしでも大丈夫」の根拠そのものが、原発全廃になっていないわけだ。

 具体的に東電の発電能力を基に確認してみよう。広瀬氏の記事によると、東電が保有する火力の発電能力を合計すると3869万6000kW、水力は898万1000kW、他社受電は1081万6000kWで、すべて合わせると5849万3000kWの発電能力がある。だから広瀬氏は、火力と水力だけで、供給予備力が6.4%あると計算している。一般に、万が一に備えて供給予備力は最低8%必要であると言われているが、350万kWの設備の余裕があれば、何とかなる可能性が高い。しかし、この5849万kW超の発電を本当に期待していいのだろうか。

 まず、水力発電について検証してみよう。水力発電の方式には、自流式、貯水式、揚水式の3つがある。自流式は流れ込み式とも呼ばれ、自然の流れを利用するので需要のピークに合わせて発電することはできない。一方、ほかの2方式はピークに合わせて放流し、発電が可能だ。もちろん貯水式の場合、空梅雨で雨が降らなければ発電できない。揚水式は主に原発の夜間電力を利用して、水をダムに揚げて放流するもので、ピーク需要に対応できる。ちなみに原発がなければ、高値の化石燃料をたいて水を揚げることになる。

 それでは実際、水力は最大電力が必要な時、どの程度稼働していたのだろうか。最新の2008年のデータによると、東電の水力発電の設備能力は898万6000kWであるのに対し、実際に発電した最大の出力は、646万kWだった。上述したような理由から、設備能力の72%しか利用できなかったわけだ。このことから、約250万kW分の供給力を見込めないことが分かった。ほかの電力会社の水力発電の事情も、似たり寄ったりだ。関西電力は設備能力が819万kWあるのに対し、実際の最大出力は616万kWで、75%しか利用していない。中部電力は522万kWに対し、349万kWで67%だ。広瀬氏の資料によれば、関電の余力は101万9000kW。この時点で需要を賄えなくなる。

 火力はすべて利用できるだろうか。これも難しい。1979年に起きた第2次石油危機を受けて、国際エネルギー機関(IEA)は石油火力の新設を、原則、禁止した。これを受けて、日本でも石油火力は新設されず、既存の石油火力も、石炭や液化天然ガス(LNG)火力に転換していった。電力会社は現在も、老朽化が進んだ石油火力でさえ、ピーク需要に対応するために保有し続けている。しかし、設備の古さと効率の悪さは否めない。

 東電が保有する火力発電所のうち、約25%に当たる1075万kWは石油火力だ。このうち、広野2号機、3号機(合計200万kW)は、石油の需要が緩んだ2000年代半ばに完成した。この2基を除く16基、875万kWはIEAが建設を禁じた79年以前に着工した、30年以上も前の設備だ。最も古い横須賀3号機の運転開始は47年前である。熱効率も悪く、発電端でも39%しかない(発電端から発電所内の電力消費や送電時のロスが生じるので、需要家に届く電力を示す「送電端」の熱効率はさらに悪化する)。電力会社によっては、熱効率が33%に過ぎない石油火力もある。LNG火力の43-45%の熱効率と比較すると、日本の既存の石油火力の効率の悪さは際立っている。

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「原発なしで電力は賄える」は本当か:復興ニッポン いま、歩き出す未来への道 (via 4kshike)

(petapetaから)

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